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凉宮ハルヒの溜息

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)
(2003/09)
谷川 流

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あらすじは…
宇宙人未来人超能力者と一緒に遊ぶのが目的という、正体不明な謎の団体SOS団を率いる涼宮ハルヒの目下の関心事は文化祭が楽しくないことらしい。行事を楽しくしたい心意気は大いに結構だが、なにも俺たちが映画を撮らなくてもいいんじゃないか? ハルヒが何かを言い出すたびに、周りの宇宙人未来人超能力者が苦労するんだけどな――スニーカー大賞<大賞>を受賞したビミョーに非日常系学園ストーリー、圧倒的人気で第2弾登場!

みたいな感じです。


ああ。そう言えばこの話って長編だったな…。

と言う事で憂鬱以降ほぼ忘れてます。涼宮ハルヒシリーズ第2巻です。

いやさすがに4年前に読んだら覚えてないですよ…。基本的に読み返さない勿体ない人間ですし。

なので読み返しても普通に楽しめるんですけどね!!

ここからハルヒがこっちの世界で楽しむことにした様子が描かれてますよね。

ただ今こうして見てみると長編って意外と出てないですよね?

8巻あって、3巻は短編集ってのがビックリです。

確かにこうして思い出すと長編の印象があんまり無いですね…。


憂鬱と溜息って半年の時間の差があったってのにまず驚きました。

その辺の出来事が描かれたのが退屈ですよね。何となくですが。

だから、この辺からハルヒが普通に“面白い”ことをしていることに飽きだしたってことなんでしょう。

夏休みに明けて欲しくないって思うほど夏休みを満喫したり、殺人事件に巻き込まれたり。

そんな普通の“面白さ”に飽きたから自分で普通じゃない“面白さ”を求めたんだろうな…。

ただそこで『映画作り』ってのを思いつく所がハルヒの常識的な所であって…。

そう言う所を見るとハルヒが可愛くて可愛くて…。


まあ、朝比奈さんをいたぶるのはボクも許せませんでしたがね!!

やはり朝比奈さんの良さが分かるようになった今ハルヒの傍若無人がやっぱり許せませんね…。

ただそういう風に傍若無人に振る舞ってるハルヒってのもその自分の思う“面白さ”を求めて、もがいている結果なのかな…とか思うとね…。可愛い物がありますよね…。

まあ、許せませんけどね!!

昔はここまで絶対憤ってなかったろうな…って思うと自分の成長を感じます。

…こんなので感じてもあんまり嬉しくないですが。


しかし、ハルヒが本当に可愛かったな…。

喧嘩をした後にハルヒの元をキョンが訪れる場面…。

来るまでポニテにして作業していたハルヒが…。いやたまらねえ…。

キョンも気づいてやれよ…。お前が言ったことをずっと覚えてるんだぞ?いじらしいではないか…。

「当然よ。あたしが監督するんだからね。成功は約束されているの。あんたに言われるまでもないわよ」

これを下向いて頬を赤らめながら言っているハルヒを想像すると…たまらない。

もしかしてこれアニメであった場面ですかね?やけに鮮明に浮かんでしょうがないんですが?

あの言葉がきっかけにテンションだだ上がりのハルヒがまた可愛くてもう…。


と言う事でこっちの世界で“面白い”ことを見つけ出そうとするハルヒの日々が始まったわけですよ。

いややっぱり見ていて面白い…。やはりそれがラノベには大切なのかも知れませんね。



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↑いやハルヒ可愛い…

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サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL

サクラダリセット2  WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫)サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫)
(2010/02/27)
河野 裕

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あらすじは…
「貴方は、貴方の未来を知りたい?」能力者が集う街、咲良田。記憶保持の能力を持つ少年・浅井ケイと「リセット」能力を持つ少女・春埼美空は、管理局の要人に呼び出される。名前を持たず、「魔女」と名乗るその初老の女性は、30年近く隔離され、窓一つない部屋に住んでいた。彼女の能力は、未来を見ること。その役割は、咲良田の未来を監視すること。そして魔女は、自身の死期が近いことを知っていた―。待望の第2弾。

みたいな感じです。



良いな…。良いなぁ…。

良いよこれ。本当に良い。本当に素敵な作品。

もう面白いとか面白く無いとか、そういう次元とは違った方向にこの作品がたまらない。うん。

まあそうは言っても面白かったんだけども。


淡々と。それこそ本当に淡々と物語は進んで行く。どこか乾いた感じの見せるケイの一人称で。

そして、物語そのものも―もちろん無かったら物語として成り立たないから少しはあるんだけど、起伏はそこまで激しくない。

なのに飽きさせない。むしろ飽きるなんてとんでも無いって感じ。

淡々としているからと言って物語が冗長だなんてことは全く無くて、400ページを越える物語を一気に読ませてくれる。

本当にこういう所は凄いと思う。

やっぱりケイの淡々とした語り口が物語に合ってるってのは言うまでも無いことなんだけど、ただでさえ400ページを超える作品を起伏が激しくあるわけでもないのに全く飽きることがない。

それはやっぱりこの作者の文章を描く力量にあるんだと思う。

前巻のようにセンスを全面に押し出した文章は控えめだったんだけど(ちょっと残念)、こういった点で彼のセンスを感じることが出来る。

そんな巻だったな…。



さて。物語はと言えば、面白く無いのか?って言われると全力で首を振らせて貰うしかない感じ。

「物語としての面白さ」って点では今巻の方が前巻よりは上かもな…?

いやあくまでそこを見るとって話で巻そのものを比べてどちらが上って話では無いので悪しからず。…って言うかこのシリーズでそう言った点で勝ち負けなんて付けることは出来ないと思う。それぞれの巻にそれぞれの素晴らしさがあるわけだし。

まあ、良さを挙げろって言われると前巻は全面に押し出され完全に虜にされたあのセンス溢れる文章で、今巻は最も重要なキーワードの一つである「能力」。これを完璧なまでに使った展開ってことになるのかな?


あらすじにあるように魔女の持つ「未来を見るという」能力。そして春埼の持つ「三日だけ世界を殺す」能力。

この二つの能力をフルに活かして、完璧に使い切って物語の面白さを引き出している。

タイムリープ物。今巻はそうした目線で見てもかなり面白い部類に入るんじゃないかな?

岡絵里。冗談みたいなこの名前の少女がもたらした一つの事件。

それは大勢の人間に影響を与えることはない。だけど、二人の人生を幸せな物にして、物語の大きな転換点をもたらした。

そんな一つの事件を主軸に物語は進んで行くんだけど、さっき言った二人の能力。これが本当に巧く、そして綺麗に絡んで来る。

そしてこの大勢の人間に影響は与えなくとも、確実に二人の人間の人生を変える。それもプラスの方向に。

そんな事件って本当に素敵だと思う。

その過程でどれだけのことがあったんだとしてもね。やっぱり世の中結果オーライだよ。


とは言え、この物語で心がグッと掴まれたことは1回や2回じゃない。

特に、春埼がケイに向かって「能力のない自分とケイは今までと変わらない関係でいられるのか」聞いた時。

ここは本当に辛かった…。

どちらも気持ちを大きく表に出す奴らじゃないのに、こういうときに限って、いやこういう時だからこそ気持ちを大きく表してくる物だから…。

彼らの繋がりは能力でのみ繋がっている。

それは非常に強い繋がりだけれど、決して切れないのか?と言われると頷くことは出来ない。

もしかすると能力が無くなっても関係は変わらないかも知れないし、変わるかも知れない。それはケイにすら分からないこと。

曖昧で不安定で、でも非常に強い関係で互いを縛り合っているのに、切れないと安心することも出来ない。そんな関係で彼らは結ばれている。

そう考えると胸が苦しくなるんですよね…。



あとね…。あまり前巻のような文章は無いんだけど、どうしようもなく気に入って、気になって、気にかかった一文を一つ。

「私は桜の花びらを踏みつけて、桜を眺めていたの。花びらを踏みつけたまま、なんて綺麗なんだろうって思っていたの」

この一文ほど人間を表してる言葉って無いよな。そんな風に思った。

物語に直接は関係ないんだけど、これほどの力と説得力。そしてある種の真実を含んだ一文を目にしたことがない。

うん。色々考えたんだけど、それをここに書き表す力が自分にはないから書くことはしないけど。

でも、これほど小説を読んでいて考えさせられた言葉は無い。



しっかりと幸せな最期を手に入れて、幸せな人生を生きた魔女。

彼女と佐々野さんの不安定でとても細いんだけど、決して切れることはない。互いに何があっても想い合っているというこの関係。

これがもうすべてを綺麗に締めてくれた。

人生の半分。それだけしか共に過ごしてはいない。それと同じ時間分かれていた。

咲良田のシステムの一部として大切な人と離れ一人ずっと先の未来を頼りにしながら生きてきた魔女。

その彼女の最後の姿。そして初めて見せる本当の表情。彼女はシステムであっても、あくまで一人の人間だった。魔女である前に一人の人間だった。

箒に乗った魔女は恋人の部屋の窓をノックする。

そして、

「二人とも、幸せになるんだ」

幸せになった彼女と恋人は心の底から浮かべた表情で見つめ合ってる。

そんな情景が心を捉えて離してくれない…。物語には無いはずなのに。



そして、物語としても大きなターニングポイントになったこの巻。

相麻菫という一人の少女の死から始まったすべての物語は次巻で過去に起こった出来事を語る様子。

良いシリーズに出会ってしまった…。



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サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY

サクラダリセット  CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)
(2009/05/30)
河野 裕

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あらすじは…
「リセット」たった一言。それだけで、世界は、三日分死ぬ――。
能力者が集う街、咲良田。浅井ケイは、記憶を保持する能力をもった高校一年生。春埼美空は、「リセット」――世界を三日分巻き戻す能力をもっており、ケイの指示で発動する。高校の「奉仕クラブ」に所属する彼らは、ある日「死んだ猫を生き返らせてほしい」という依頼を受けるのだが……。リセット後の世界で「現実」に立ち向かう、少年と少女の物語。

みたいな感じです。



これは…。面白いとか面白く無いとかじゃ表せないかもな…。

正直な話、この作品を読んで今まで感じた「面白い」作品のように面白いとは感じられなかった。

でも、オレはこの作品が好き。凄く素敵な作品だと思う。それも事実。


超能力者の集まる街。三日だけ時間を巻き戻すことが出来る。

そんなフレーズだけ聞けば、どこにでもあるようなライトノベルの作品。ライトノベルライトノベルしてる雰囲気がある。

でも、読めばそんな気持ちなんて完全に吹っ飛んでしまう。まあ、自分の場合薦められて読んだ立場なのでそんなの全く無かったんですがw。

まず誰しもがこのフレーズに引き寄せられるはず。あらすじや挿絵に出てくるこの言葉。

「リセット」たった一言。それだけで世界は三日分死ぬ。

この言葉で完全にやられた。もう完璧なほど。そして、それと同時に凄く惜しいと思った。

三日遡れば、世界は三日分死ぬ。

それはよく考えれば当然のこと。だけど誰として思いつかないこと。

こんな素敵なフレーズを持って来る人がライトノベルでしか出していないってことが凄く惜しい、と。

もちろん、ラノベを愛している人間ですし、もしラノベで出していなかったら出会うことの無かった作者だろうからラノベで出してくれたってことは凄く嬉しいんだけどね…。

でも、これほどのセンスを持っている人が世間一般に知られずにライトノベルってちっぽけな世界で終わっていくのが凄く惜しいと思うんですよ。

だって、話が面白いとか、キャラクターが魅力的だとかそう言う部分では無くて、作者自身の文章を書くセンスってものにこれほど惹かれたことはないんだよ…。これはたくさんの人に知って欲しい…。


とまあ、初っぱなからこの作者の文章のセンスにやられてしまったものだから、最初っから最後までそう言う所もしっかりと見ていたんだけど、この作品。登場人物たちの会話がもの凄くハイセンスなのである。

いやホント凄い。本当に凄い。

これを読むきっかけになったつかボンさんの感想でもおっしゃってたんだけど、献血の話(ん?ではあるよね)を始め彼らの交わす会話会話からセンスが迸ってくる感じ。

そして、それだけで終わらないのがこの作者のセンス。

「あ、飛行機雲」

この締めも良いよね…。

こんな言葉で終わるこの物語(エピローグは除く、ね)なんだけど、そこに繋がるまでの主人公・ケイの言葉言葉もまた素敵…。でも、それも意識しないと感じることはないんだろうなとも思ってしまう。

何て言えば良いんだろ…?あまりに言葉の操り具合が巧み過ぎるために読者にそれを意識させないって感じかな?

多分、そう言う作者の『言葉使い』に意識してないと難しい物語だと思うんですよね…。さっき言ったように「面白い」作品では無いですし。

と言うのもあまり物語に大きな動きが無いんですよね。それが良い所でもあるのですが、それを退屈に感じる人もいるかと。

あとは、この『言葉使い』も人によっては面倒に感じる人もいる気がしないでも無いですね…。

とは言えこんだけ話題になっているんだからそんなこと気にすることはないのかな?



そんなこと言っても時間跳躍物としての凄さもハンパじゃないんですけどね。

何が凄いってそれすらも物語のちょっとした伏線(とすら呼べないかも知れない)ものにしてしまうところ。

こういう所にも作者のセンスを感じさせるんですよね…。

特に『髪飾り』の場面なんて凄かった…。

春埼のほとんど見せることはないけど、確かに確実に存在する彼女の感情。

ケイの本人は無いと言い張るだろうけど、確かに確実に存在する彼の優しさ。

この二つを見事に表現した一つのエピソードだと思う。それも時間跳躍を利用して生み出すなんて…。

この作者が本当に凄い所って言うのはこういうちょっとした巧さにあるんだと思う。こんな素敵な伏線の使い方があるんだなって思いましたね…。ホント…。


そして、この咲良田って街。これがまた…。

彼ら能力者たちはこの街でしか能力を使えない。

それはつまり、どんな最強の能力を持っていようが、世界を滅ぼす力があろうが、世界を救う力があろうがこの街以外では能力者たり得ない。

それは当然なことなんだけど、凄いことだと思うんですよね。

それはつまりこの街から外で物語を大きく展開させる気がないっていう作者の気持ちの表れなんじゃないかな?って。

だから、この物語には時間跳躍や能力が中心には置かれてない。

それを持つ一人一人それぞれのどうしようもないくらい人間味あふれた残酷さ。そして優しさ。

歪んでいても良い。どれだけ素直になれなくても良い。

どれだけのことをやろうとも結局の所人間の心の底には『優しさ』って感情があるんだってことを感じさせてくれました。



いやー。これどうして積んでたんだろう?

やっぱり友人が優しすぎるのがいけないと思うんだよね。ちなみにこれ3巻まで友人から借りてます。

自分で買えば面白い作品だし、すぐ読むと思うんだよね…。身銭切ってるわけだし…。

でも、友人に借りてるし、「まだまだ全然良いけどー」とか言ってくれるわけですよ…。いやもちろん今まで何冊も貸してきたってのもあるでしょうけどね。

ただ、これは借りたのを後悔してる…。

………これは自分で買いたいよ。

あー。アレだな。これはそのうち買うな。

飛空士シリーズも一回借りたけど買ったし、化物語も。

と言う事でそのうち買いますが、とりあえず2巻読みたいと思います。




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ムシウタ 11.夢滅ぼす予言

ムシウタ11.夢滅ぼす予言 (角川スニーカー文庫)ムシウタ11.夢滅ぼす予言 (角川スニーカー文庫)
(2011/02/26)
岩井 恭平

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出てくれましたよ11巻。11巻ですよ11巻。


あらすじは…
“虫憑き”を捕獲し管理する最強の中央本部が何者かに侵略され、赤牧市が正体不明の霧に包まれた。史上最悪の事態の真相を確かめるべく、単身赤牧市に潜入した“かっこう”は、不完全な“虫”に襲われている少女を助ける。ミッコと名乗る少女は「私の家族が誰かを“喰べ”てしまったのかも」と“始まりの四匹目”が存在するかのような予言を告げる。街に不完全な虫が大量発生したいま、かっこうはこの世界を止めることができるのか――!?

みたいな感じです。



ああヤバイ!!!


ここでこうなるのか…。本当に本当に面白い…。そして素晴らしい…。

ついに。ついに明らかになった謎の数々。

ムシウタの根幹に関わる“始まりの三匹”の成り立ち、そして“虫憑き”の真実。

今まで10巻に渡って張り巡らされ、隠され続けてきた伏線。それもすべてでは無い、けれども物語の根幹に当たる真実をここで放り込んでくるとは…。岩井さんありがとう…。

これなんですよね…。今までボクらが待っていたのは…。

前巻10巻刊行から早10ヶ月。その10ヶ月ですら短く感じられるような長い期間。3年間を前々巻から待ちました。

けれどもそこで出てきたのは“かっこう”じゃ無かった…。

このムシウタシリーズで“かっこう”が出てこない“虫憑き”たちの物語はそりゃ珍しくはありません。もしかすると半分くらいはそうかも。

でもね…。3年待ってあれは許されない…。

10巻も面白かった。面白かったですが、やっぱり物足りない…。


そんな10巻を経ての11巻…。

…これをファンは待っていた!!



最初からもう素晴らしかった…。

いきなり登場してくれる主人公“かっこう”。危機的状況にある赤牧市、そして特環中央本部。

初っぱなからテンションはだだ上がりですよ。

“かっこう”が。このシリーズの主人公がいるだけでここまで面白くなるのか?と。

ワクワクした。ドキドキした。ハラハラしましたよ。

ページを捲る度に上がっていくテンション。少しずつ中盤に向け謎が増えていく展開。

ああ。これがムシウタか、と。

そして中盤に進むにつれて最初に提示されたキーワードが利いてくる。

“始まりの四匹目”、“不完全な虫”、虫が出現しない“かっこう”。そして“夢滅ぼす予言”。

もうたまりませんね…。


そして中盤。最高です。

もうこれしか言えない。ただ最高だった。それだけです。

第1巻から隠し、明かすことの無かった大きな謎。“始まりの三匹”と“虫憑き”の始まり。

この大きく核心に迫るこの伏線が明らかになった瞬間。その瞬間から震えが止まりませんでした。

11巻にして新たに登場した3人がこんな形でムシウタシリーズに関わってくるとは本当に予想外。ただそれだけですよ。

もちろん読んでいると違和感はふつふつと沸いてきます。そしてその違和感は段々と大きくなっていく。

けれどこの展開は予想だに出来ませんでした…。かけらも予想できなかった。

それほどの衝撃、大きな謎。大きすぎてこの11巻を読むまではっきりと意識することすら出来なかったくらいのものですよ。

それをここで持って来た…。この衝撃は言葉では表しきることは出来ない…。



そしてそんな衝撃の展開を越えて迎えた終盤。“かっこう”が『赤牧市』へと戻ってきた後。ここからがたまらない…。

素晴らしくて素晴らしくてもう涙が出てくるくらいですよ。震えが止まりません。

ついに。ついに姿を顕した『浸父』。

そして“始まりの三匹”を殲滅するために集められた最高戦力たち。それこそ今ある限界で、彼らで倒すことの出来なければそれこそ世界の終わりだと。

この集結した彼らが本当に…。本当に…。

ああ。ここで来るのか…。と震えを感じながら感嘆の声をもらしていました。

むしばねのリーダー“ふゆほたる”、戌子の最後の弟子鯱人。そして忌み嫌われ、恨まれ、頼られる特環最高戦力“かっこう”。

彼らの決死の戦い。それこそ死を覚悟するしかない状況下での“かっこう”の言葉。これが虫に“憑かれ”、虫を恨み、恐れ、そして“虫憑き”を救おうと戦い抜いてきた“虫憑き”の言葉か、と。

「今までさんざん怖がってきたはずだ。自分の“虫”」や、他の虫憑きの“虫”にな。虫憑きになったせいで苦しんで、痛い思いをして、辛い目にも遭ってきた。もういい加減、ウンザリしてるだろ?」

「その原因の一つが、目の前にいるんだぞ?」

「今は―怒るときだぜ」


これが彼の想い。そしてすべての“虫憑き”の想い。

こんな想いを持っているからこそ彼は何度も“始まりの三匹”に敗北し敗北し、すべての“虫憑き”に恨まれ恐れられ、それでも彼は戦ってきた。

そんな彼だからこそ“虫憑き”たちは恐れ恨みながらも彼を頼る。信頼する。

その“かっこう”の最後の戦い。

命を尽くし。心を尽くし。夢を尽くして戦い抜いた彼の姿はやっぱり格好良かった…。


彼はここで夢が尽きてしまったんでしょうか?それとも彼は新たな夢を持ち復活してくれるのか?

そして、彼女は復活してくれるのか?そして詩歌は?魅車八重子の言葉の意味とは?超種一号とは?

すべてが一つになり素晴らしい展開を迎えてくれたムシウタシリーズ。

00。1~10巻。そしてbug。

このすべてが絡まり、絡まり。そして“虫憑き”たちの物語は最終決戦へ。


最高の最終決戦の舞台へ、さあ。



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薔薇のマリア Ⅱ.壊れそうな君を胸に抱いて

薔薇のマリア〈2〉壊れそうなきみを胸に抱いて (角川スニーカー文庫)薔薇のマリア〈2〉壊れそうなきみを胸に抱いて (角川スニーカー文庫)
(2005/02/25)
十文字 青

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薔薇のマリア第2巻です。


あらすじは…
喪神街で伝説の魔道女王を葬ったマリアは、街で一人の少女ベアトリーチェと出会う。青い瞳が印象的な美少女がマリアにもたらしたものとは、儚い微笑み、極悪クランの罠、ほんのちょっぴりの強さ、そして―。エルデンの街がクラン同士の抗争にのみ込まれ、マリアに最悪の危機が迫るとき、再びZOOの仲間が立ち上がる! 義のため押し殺す愛、愛するがゆえの非情。誇り高き仲間たちが再び闘いに挑む、待望のシリーズ第2弾!!

みたいな感じです。


あー…。これは確かにダークファンタジーだ…。

ダークファンタジーとして知られているこの作品らしいけど、前巻読んだときは「そこまでダークファンタジーか?」と疑問に思ってました。

だって、ダークファンタジーって言ったらされ竜を読んでいますからどうしてもあれと比べてしまいます。

ただ、この巻を読んで確信した。これは歴としたダークファンタジー。


加虐的殺戮愛好者「SmC」。彼らの残虐さが本当に際立っていた…。

無法地帯エルデンの中にあって「悪即斬」を掲げる「秩序の番人」。

彼らの正解では無くても、間違っていない『義』が輝いていて、そして格好良かった。

悪即斬。悪が蔓延り悪行が横行しているエルデンでは決して簡単に行える事では無い。

そしてマリアが言っているように「何が悪で、何が悪でないか」なんて分からないです。

ましてやエルデンのような場所では。

それでも、自分の中の『義』を貫き戦い悪を伐つ。その姿が格好良かった。

その「秩序の番人」のベアトリーチェ。

彼女とマリアがSmC傘下の龍州人に攫われた所から物語は始まる。

その攫われている光景が本当に辛かった…。あれからダークファンタジーってのを実感し始めましたね。

そしてリーチェを意識しているマリアが凄く辛くて、でも嬉しかった。

所々で語られるマリアの過去。そこから想像される独りっきりの生活。

それを考えると今のように仲間でもない人を意識し、ましてや助けに行くなんて考えられないことなんだろうなって。


だからこそかな?マリアの「秩序の番人」を焚き付け挑発する場面は熱かった…。

会って間もない、仲間でもない人間のために自分の気持ちをぶつけているマリアが…。

「親だって言うなら、子供の代わりにお前が死ね!」

これは凄かった…。マリアの『親』に対する思いって言うのを凄い感じましたね。

それだけじゃなく、一つ一つの言葉にマリアの気持ちがこもってました。

だからこそユリカを動かし、果てには「秩序の番人」を動かす結果に繋がったんでしょう。

ただそうだからと言って助け出してはい終わりって結果にならないって言うのが辛い…。


SmC。奴らの恐ろしさ、気持ち悪さ、そして残酷さを感じさせる要因。SIX。

いやもう奴一人がそのままSmCすべてと言っても過言ではないはず。

あの惨状での奴の行動、仕草、もうすべてが…。キモチ悪い…。

そしてあの救出作戦に懸ける一人一人の気持ちを知っているからこそ余計に…。

だからこそリーチェを抱きかかえるマリアの姿が凄く印象的で…。

2巻なのに…。まだ2巻なのにこの重さそして辛さ。

もしかしたらこの先良い働きをするんじゃないか?って思わせておいて人って言う物はあっさりと死んでいく。

その反面あの男は…。

作者が憎いですね…。ここまで効果的に死を描いてくるなんて。

死が絶対の物じゃ無いこの作品だからこそ、死んだ後で救出し蘇生させるなんて『最悪』の考えが浮かぶ。

そして本当の意味での『死』という物が大きく、辛い物になる。


そして最初の方や途中の楽しげなマリアの姿や「ZOO」の面々が凄く昔のように思えるんですよね…。

この明と暗の描き分けが凄く恨めしい…。

リーチェは前のように焔のことを笑顔で話せるときが来るんだろうか?

モリーはリーチェの姿を見てどう思うんだろう?

そして、仲間の他に大切な人が出来たマリアは?


アジアンも…。彼のその後が気になって仕方がないです…。

仲間のために、「安心して一緒に昼飯を食える」連中のために辛い道を選んだアジアン。

彼の汚れて、でも決して仲間のために自らが屈することも厭わない姿が凄く格好良かった。

だからマリアのために自分、もしかすると仲間までも危険に晒したってことの大きさを痛感します。

しかも色々と気になる事は溜まっていくばかり…。

トマトクンの正体や「昼飯時」のその後。そしてもちろんアジアンも。

これから先どうなってどう明かされていくんだろう?



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