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サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY

サクラダリセット  CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)
(2009/05/30)
河野 裕

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あらすじは…
「リセット」たった一言。それだけで、世界は、三日分死ぬ――。
能力者が集う街、咲良田。浅井ケイは、記憶を保持する能力をもった高校一年生。春埼美空は、「リセット」――世界を三日分巻き戻す能力をもっており、ケイの指示で発動する。高校の「奉仕クラブ」に所属する彼らは、ある日「死んだ猫を生き返らせてほしい」という依頼を受けるのだが……。リセット後の世界で「現実」に立ち向かう、少年と少女の物語。

みたいな感じです。



これは…。面白いとか面白く無いとかじゃ表せないかもな…。

正直な話、この作品を読んで今まで感じた「面白い」作品のように面白いとは感じられなかった。

でも、オレはこの作品が好き。凄く素敵な作品だと思う。それも事実。


超能力者の集まる街。三日だけ時間を巻き戻すことが出来る。

そんなフレーズだけ聞けば、どこにでもあるようなライトノベルの作品。ライトノベルライトノベルしてる雰囲気がある。

でも、読めばそんな気持ちなんて完全に吹っ飛んでしまう。まあ、自分の場合薦められて読んだ立場なのでそんなの全く無かったんですがw。

まず誰しもがこのフレーズに引き寄せられるはず。あらすじや挿絵に出てくるこの言葉。

「リセット」たった一言。それだけで世界は三日分死ぬ。

この言葉で完全にやられた。もう完璧なほど。そして、それと同時に凄く惜しいと思った。

三日遡れば、世界は三日分死ぬ。

それはよく考えれば当然のこと。だけど誰として思いつかないこと。

こんな素敵なフレーズを持って来る人がライトノベルでしか出していないってことが凄く惜しい、と。

もちろん、ラノベを愛している人間ですし、もしラノベで出していなかったら出会うことの無かった作者だろうからラノベで出してくれたってことは凄く嬉しいんだけどね…。

でも、これほどのセンスを持っている人が世間一般に知られずにライトノベルってちっぽけな世界で終わっていくのが凄く惜しいと思うんですよ。

だって、話が面白いとか、キャラクターが魅力的だとかそう言う部分では無くて、作者自身の文章を書くセンスってものにこれほど惹かれたことはないんだよ…。これはたくさんの人に知って欲しい…。


とまあ、初っぱなからこの作者の文章のセンスにやられてしまったものだから、最初っから最後までそう言う所もしっかりと見ていたんだけど、この作品。登場人物たちの会話がもの凄くハイセンスなのである。

いやホント凄い。本当に凄い。

これを読むきっかけになったつかボンさんの感想でもおっしゃってたんだけど、献血の話(ん?ではあるよね)を始め彼らの交わす会話会話からセンスが迸ってくる感じ。

そして、それだけで終わらないのがこの作者のセンス。

「あ、飛行機雲」

この締めも良いよね…。

こんな言葉で終わるこの物語(エピローグは除く、ね)なんだけど、そこに繋がるまでの主人公・ケイの言葉言葉もまた素敵…。でも、それも意識しないと感じることはないんだろうなとも思ってしまう。

何て言えば良いんだろ…?あまりに言葉の操り具合が巧み過ぎるために読者にそれを意識させないって感じかな?

多分、そう言う作者の『言葉使い』に意識してないと難しい物語だと思うんですよね…。さっき言ったように「面白い」作品では無いですし。

と言うのもあまり物語に大きな動きが無いんですよね。それが良い所でもあるのですが、それを退屈に感じる人もいるかと。

あとは、この『言葉使い』も人によっては面倒に感じる人もいる気がしないでも無いですね…。

とは言えこんだけ話題になっているんだからそんなこと気にすることはないのかな?



そんなこと言っても時間跳躍物としての凄さもハンパじゃないんですけどね。

何が凄いってそれすらも物語のちょっとした伏線(とすら呼べないかも知れない)ものにしてしまうところ。

こういう所にも作者のセンスを感じさせるんですよね…。

特に『髪飾り』の場面なんて凄かった…。

春埼のほとんど見せることはないけど、確かに確実に存在する彼女の感情。

ケイの本人は無いと言い張るだろうけど、確かに確実に存在する彼の優しさ。

この二つを見事に表現した一つのエピソードだと思う。それも時間跳躍を利用して生み出すなんて…。

この作者が本当に凄い所って言うのはこういうちょっとした巧さにあるんだと思う。こんな素敵な伏線の使い方があるんだなって思いましたね…。ホント…。


そして、この咲良田って街。これがまた…。

彼ら能力者たちはこの街でしか能力を使えない。

それはつまり、どんな最強の能力を持っていようが、世界を滅ぼす力があろうが、世界を救う力があろうがこの街以外では能力者たり得ない。

それは当然なことなんだけど、凄いことだと思うんですよね。

それはつまりこの街から外で物語を大きく展開させる気がないっていう作者の気持ちの表れなんじゃないかな?って。

だから、この物語には時間跳躍や能力が中心には置かれてない。

それを持つ一人一人それぞれのどうしようもないくらい人間味あふれた残酷さ。そして優しさ。

歪んでいても良い。どれだけ素直になれなくても良い。

どれだけのことをやろうとも結局の所人間の心の底には『優しさ』って感情があるんだってことを感じさせてくれました。



いやー。これどうして積んでたんだろう?

やっぱり友人が優しすぎるのがいけないと思うんだよね。ちなみにこれ3巻まで友人から借りてます。

自分で買えば面白い作品だし、すぐ読むと思うんだよね…。身銭切ってるわけだし…。

でも、友人に借りてるし、「まだまだ全然良いけどー」とか言ってくれるわけですよ…。いやもちろん今まで何冊も貸してきたってのもあるでしょうけどね。

ただ、これは借りたのを後悔してる…。

………これは自分で買いたいよ。

あー。アレだな。これはそのうち買うな。

飛空士シリーズも一回借りたけど買ったし、化物語も。

と言う事でそのうち買いますが、とりあえず2巻読みたいと思います。




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テーマ : ブックレビュー - ジャンル : 小説・文学

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