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ハイドラの告白

ハイドラの告白 (メディアワークス文庫)ハイドラの告白 (メディアワークス文庫)
(2010/03)
柴村 仁

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プシュケの涙に連なる物語だそうです。

前回同様の物が見れるのかって期待と、あれだけの物は書けないだろうって不安がありますね。

でも、シリーズ化するってのは嬉しいです。


あらすじは…
 絶望的な恋をしているのかもしれない。そのことにとっくに気づいてたけど、気づかないふりをしていたのかもしれない。 私がやってること、全部、無駄な足掻きなのかもしれない――それでも私は、あなたが欲しい。

 美大生の春川は、気鋭のアーティスト・布施正道を追って、寂れた海辺の町を訪れた。 しかし、そこにいたのは同じ美大に通う“噂の”由良だった。彼もまた布施正道に会いに来たというが……。

『プシュケの涙』に続く、不器用な人たちの不恰好な恋の物語。

みたいな感じです。


ん~。どうなんでしょう。

面白かったんですが、プシュケのような切なさはこみ上げてきませんでした。

あれだけの物をポンポンと書けたらものすごいことですしね。しょうがないのかも…。

少なくとも、プシュケのような切なさを期待したら、楽しめないかも知れません。

と言うより、前回は完全に「終わってしまった」物語だったのに対して、全体的に登場人物が前を向いているんですっきりと読めたって感じですかね。

普通に読んだらかなり面白いです。


相変わらず絵はホント綺麗です。

やっぱり、これはラノベじゃ出せないですよね。

そして、やはり悲しい恋物語です。今回は、それぞれが独立した、2本の中編でした。


今回は春川が主人公なんだなって読んでたんですが、春川がね。空気になってました。

と言うより、由良が凄い…。この兄弟はどこまで…。って気がしました。

あと、ねうちゃんに和んだんですけどね。

これが後半でどうなるんだろうって思ったんですけど、違う話でガッカリでした。

まあ前回みたいな書き方は続けては書けませんよね。


後半の「A」の物語。

彼女の愛が…。重すぎて、悲しすぎる。

女って凄いですよね。愛する男のために何でもするって感じで。

彼女の独占欲が強すぎる。アタカのすべてであるカナタを殺そうとしたり。


「カナちゃんを殺して、首を落として、その首をアーちゃんに抱かせてやるって思ってたの」

「シュールだな」

「だってそうでもしなきゃ、アーちゃん、私のことなんか見てくれないじゃん」

「かもね」 

「うう。せめて否定してよ。ううう」


恐ろしい会話…。でも、本気で愛するってこれくらいなんでしょうかね。

ボクが思ったのが、このカナタの壊れようね。

あんな事があったんでしょうがないですか…。


来月にも、続編が出るそうです。

「セイジャの式日」。過度の期待はせずに、普通に楽しみにしておきます。

テーマ : ブックレビュー - ジャンル : 小説・文学

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